昔、ネパールの山道を歩いていたときのことです。
大きな古い木が倒れていて、道をふさいでいました。
そのとき、道案内をしてくれた村人がふと教えてくれたネパールのことわざがあります。
「Rukh budho bhayepachi bato chekchha, manche budho bhayepachi newu khojchha」
意味は、「木は古くなると道を塞ぎ、人は年をとると難癖をつける」
年齢とともに人は頑固になり、素直さをなくして現状を受け止めにくくなることを
倒れた老木にたとえたことわざです。
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| 倒れて道をふさぐ老木・・・ |
倒れた大木を見ながら「自分の年をとったら難癖をつけるようになるのだろうか・・・そうはなりたくないな」と思ったのを覚えています。
しかし、50歳に近づくにつれてふと気づくと、
自分の心が年々かたくなっていると感じたり、
誰かを批判したくなったりする瞬間があるのも事実です。
そんなとき、私はつとめてこのことわざを思い出し、
自分の心に意識を向けるようにしています。
なぜ、人は年を重ねると頑固になってしまうの?
「本当は心穏やかでいたいのに、なぜかイライラしてしまう」 これには、心理的・科学的な明確な理由があります。自分を責める前に、まずはその仕組みを知っておきましょう。
- 脳の自然な変化(前頭葉の衰え)
感情をコントロールする「前頭葉」の機能は、年齢とともに少しずつ低下します。そのため、怒りや不安の感情にブレーキが効きにくくなります。 - 積み重ねてきた「経験値」とプライド
「今までこうやってうまくいってきた」という過去の成功体験が多い分、無意識に自分の考えに固執しやすくなります。 - 不安や衰えに対する「防御本能」
体調や環境の変化に対する不安から、無意識に自分を守ろうとして心が強張り、守りの姿勢が「頑固さ」となって現れます。
倒れる木のように、心を硬くしないために
老木が道を塞いでしまうように、長年培ってきた生き方や考え方を急に変えるのは簡単ではありません。
もし周りの誰かが頑固になったと感じたら、それは「自分を守ろうとしている必死のサイン」かもしれません。適度な距離感を保ちながら、その人の歩んできた歴史を尊重してあげることが大切です。
そして何より、自分自身の心が硬くなりかけていると気づいたとき。
ここで役に立つのが「マインドフルネス」です。
マインドフルネスで「あるがままの自分」を受け止める
心がトゲトゲしたとき、否定も肯定もせず「あ、私はいま固くなっていたな」と『今、ここ』の自分に意識を戻してみます。
マインドフルネスは、大きく見せようとも小さく見せようともせず、自分という存在をあるがままのサイズで受け止める練習です。
毎日少しの時間でも呼吸に意識を向け、心を緩めてあげること。 しなやかで風にそよぐ樹木のように、何歳になっても柔らかい心で過ごすために、今日から小さな呼吸の時間を始めてみませんか?
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