ネパールには125個の民族があり、多民族国家。
この中でネワール族はカトマンズ盆地を中心に暮らし、商業を生業にする人が多い。
先日ネパールで2番目に大きい5日間続くティハールというお祭りがありました。
ティハール4日目に祝われる、ネワール族の間で祝われる「マ・プジャ」(Mha Puja、自己崇拝)という儀式があります。ネワール文化において重要な儀式であり、ネワール暦の新年に合わせて行われます。
この儀式は自己を敬い、浄化し、自分の存在を認識し、生命や自己の価値を再確認するためのものです。自分自身を敬うという儀式は世界的にも珍しいです。
なんと、この度ネワール族の方から「マ・プジャ」にご招待いただき、儀式に参加させていただきました!
とても感動的な経験でしたので記事にしてご紹介します。
マ・プジャの流れ
儀式の準備:参加者一人ひとりのために美しく装飾されたマンダラ(象徴的な幾何学模様)が作られ、色粉や米、花、お金、大豆などが使われます。各マンダラはその人の魂や精神を象徴しており、内なる自己を認めるものです。
1つ1つの席に曼荼羅が描かれて豆、果物、胡桃、お花などで装飾 ずらーりと並ぶ曼荼羅。家族の分、招待した人の分準備します。 浄化と祝福:参加者は自分のマンダラの前に座り、家族が祝福を行います。油のランプを灯し、水や花輪をつけたり儀式が行われます。また、額にティカ(色の印)が押され、体や手首に糸をまいて祝福を現します。1つ1つのプロセスに意味があるのです。
供え物:供え物として、健康や繁栄を象徴する食物が用意されます。米、大豆、ナッツ、果物などが含まれ、自己の豊かさと滋養を象徴しています。
儀式で使用されるお花はこんなにいっぱい!😶 すごかったフラワーシャワー。3回行うんです。だからお花がたくさん必要ですね。 マ・プジャの意味:この儀式は、単なるお祝い以上のものです。自己を見つめ直し、大切にすることの意義を教えてくれます。自己を認識することで、家族や地域社会とのつながりを強化する儀式です。自己に捧げられる儀式は他の多くの文化では珍しいため、この点でも特別な意義を持ちます。
家族や地域社会とのつながり:マ・プジャは家族の結束を祝う行事でもあり、祖先とのつながりを深め、来年の幸福、繁栄、長寿を願う機会でもあります。
儀式に参加する下の世代を見て、「自分も毎年この儀式を通じて成長したんだ」と小さいころの自分に思いを馳せます。「今度はこの子たちが大きくなって繋げるんだろうね」と。
文化的意義
ネワール社会において、マ・プジャは深い精神的意義と文化的な誇りを持ちます。自己を理解し尊重することの重要性を教え、それによって他者との関係も強化されます。この儀式は自己受容、相互連結、調和の美しい象徴であり、ネワール文化において非常に大切にされている伝統の一つです。
ネワール族の友人は「マ・プジャは自分で自分の健康のために行う儀式で、これをすると一年始まるんだなというとっても崇高な気持ちになるよ」と言ってました。
繁栄、成功、幸せ、冨。
あったらすごいと言われるものですが、この中心にあるのは、「健康」が必須条件だよねと改めて認識させられたすごい儀式でした。だから自分を大切にすることは必須条件であり、後回しにしてはいけないものなのだと改めて学ぶ機会になりました。
新年を迎えた日にまず自分で自分の存在に、健康に、儀式を行うのがとても素晴らしい。自分のことは後回しにしてしまいがちですが、家族や他人と繋がるためにもまずは自分から。世界的にもとても珍しいこのマ・プジャ。
素敵な儀式、「マ・プジャ」この伝統が長く続くことを心から祈りました。
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