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伝統を伝える -ソスタニ-

実は9日前の満月の日、1/11。その日からソスタニが始まりました。
ソスタニというのは、寒い時期が終わって日が長くなる満月の日から次の満月の日までヒンズー教の神様、シヴァ神の伝説を毎日読む期間です。





真ん中の赤い布にくるまれているのが、伝説が書かれた本です。
この大きな分厚い本に、伝説が書かれていて、家族みんなが座って誰か一人が読むのを聞くのです。
神様がどうやって生まれたのか、神様のお話が書かれている本です。

お母さんが嫌がる子供にも座らせてお話を聞かせます。
私はこのソスタニを見てとても感動しました。
満月の日から次の満月の日まで毎日1章ずつよんで、31章を終えるとヒンズー教の神様の伝説がわかるという仕組みになっております。

毎日ですよ!毎日。

ごはんを食べて一息ついたら、さあ!ソスタニを始めましょう!となるわけです。
1章大体日によって違いますが、長い章では、20ページを超えます。
これを読み、読み終わったら本にお花の花びらをなげて、お供え物をみんなで食べて寝るのです。
仕事がおわっておうちに帰るのが、20時くらい。
21時から読み始めて22:30や23時くらいまでこのソスタニが続きます。

日本だと、そんなに遅い時間ではありませんが、ネパールではみんな大体22:00かその前に寝ます。
(そのかわり、朝は早いです)
ネパールの21時は、日本の23時くらいの感覚と考えてください。

23時から始まって24時、朝1時くらいまでこのソスタニが続くと考えると(日本の感覚で)それを1ヶ月続けるってすごいと思いませんか?

みんな眠い眠いといいながらもでも毎年このソスタニを行います。時には眠ったりする人もいたり。
毎年やっても飽きない、伝説を聞くのが好きといいながら毎晩ソスタニが続くわけです。

田舎のほうでは、四時くらいにごはんを食べてソスタニをはじめて夜八時くらいには寝るらしいです。
カトマンズは首都ですので、首都の少し忙しい生活でソスタニをするのって結構大変。
このソスタニの風習はネパールのお母さんが中心となって行っています。

伝統を続けていくことには、ある種の継続力と忍耐力がいるのだなと毎日ソスタニに参加して思います。
『えーまだあるのー!?』といいながらも誰もめんどうくさいと言いません。

子供からお年寄りまでみんなで参加するので、神様のことをみんな知っています。
毎年するので、記憶があせることはなく、忘れてもまた知り、または知らなかったことを知ったり。
伝統ってこうやって継承されていくのだなと思いました。
だからネパールでは、宗教についての理解が深く、神様への尊敬の念がどの世代でも見られるのだと思いました。
ネパールの家族は今やや寝不足になりながらも、伝統を守って今日もまたソスタニをするのです。

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